あむちょです。
静かなマフラーは好きですか?
盆栽バイクのCBR1000RR sc59のマフラーは割と早い段階でヨシムラR77マフラーに交換してあります。
マフラー交換についてはこちら。CBR1000RRの取り付け方法 ~マフラー編
ノーマルマフラーと比べたらうるさいし、発進時の低回転トルクが少し下がった気がするので排気デバイスをつけてやります。
とりあえず完成品はこんな感じ。
目次
排気デバイスとは
4サイクルエンジンでは高回転でも充填効率を上げるために、吸気バルブと排気バルブが同時に開いてオーバーラップさせ、慣性吸気させているものがほとんど。
とくに馬力を絞り出すような高回転型エンジンではオーバーラップが顕著で、低回転時の充塡効率が悪いです。その結果低速トルクが低くなってしまいます。
効率のよいマフラーつけた時にはさらに低速スカスカです。
そこで排気管内にバルブを設けて電子制御で排気効率を変えてやろうってのが排気デバイス。バイクだとヤマハのEXUPが有名です。
cbr1000rrのノーマルマフラーの場合、騒音対策につけられた4000回転で作動するサーボ制御のバルブと、排気効率目的の7000回転で作動するバルブがあります。
ハードウェア
できればサイレンサーより手前につけた方が効果的だけど、ヨシムラR77に加工するのは失敗した時が怖いので、バッフル側に加工していきます。
完成はこんな感じ。
バッフルを止めるネジをM8のニップルにして、中をΦ5のシャフトを通します。シャフトの片方はネジを切って位置決めと抜け防止とします。
バッフルが一部アルミのため、アルミがもろくなる200℃を超えないか少々不安はあります。
本来なら熱電対で排気温度を把握しておきたいとこです。
電子部品通販サイトのRSコンポーネンツでしたら幅広い種類取り扱っているようです。
バッフルがつけられるマフラーだったら他のマフラーでもできそう。だいたい汎用部品の組み合わせでできてます。
まずはバッフルの筒の部分を引っ張ってとる。ドリルで穴を開け、垂直にM8でタップを切る。
反対側はM5でタップをきる。
固定用のM8ニップルの内径が4.5mmぐらいだったので、5.5mmに拡大。
ベアリングは熱的に厳しそうなので、無給油ブッシュを圧入。
ためしに、M5ボルトを通したところ。
このままM5ボルトに加工してやってもいいけど、ネジ部が見えるとDIY感がでるのでシャフトに加工してやります。
ダイスでM5のネジを切る。
素材はステンレスなので非常に固いです。内径を広くできるダイスで何度も切りました。
簡易フライスでバタフライバルブをつける場所を平削り。
固定用に穴を開けM2でタップを切る。35φ円板にもはまり込むように溝を切る。
次にラジコン用のサーボホーンを固定。Φ3のステンレスシャフトとピロボールでロッドで開閉させてやります。
一般的にはワイヤーで動かすところですが、ロッドなら一本で済むしリターンスプリングがいらないので簡単です。
サーボは防水トルク20kgもの
サーボは3Dプリンターでブラケットを作って固定。
ABS樹脂の耐熱温度が70~100℃なのでギリギリな感じ。いちおう間にゴムを挟んでいます。
気が向いたらワイヤーに変えて、元々ついてた排気デバイス用のサーボを制御してやろうかなと。
ソフトウェア
回転数だけで制御となると、ある程度のスピードを出すか低いギヤを使わないと基本閉じっぱなしになるので、アクセルをいつもより開けた時にも動くようにしました。
回転数の取り出し方はこちら。バイク用タコメーターをアプリで自作する
6速で100kmとなる回転数4500rpm以降からちょっとづつ開くようにしつつ、アクセル開度5%以上からも開くとようにしてあります。
サーボモーターの制御の仕方はこちら。Arduinoでアナログ入力(AD変換)とシリアル通信、ついでにサーボモーター制御
音量比較
バッフルあり、バッフルなし、排気デバイスでアイドリング1200回転で比較。100dBまでしか計測出来ないのでバッフルなしはもっと大きいかも。
バッフルあり 95dB
バッフルなし 100dB
排気デバイス 90~100dB
ガレージ内での計測なので音が反響して大き目になってます。
総評
普段は静かに乗りつつ、ちょっとやる気出すと音が大きくなるので乗ってて楽しいです。
発進時の低速トルクもバッフルありの状態より気持ち増えた気がします。
ちなみに、本文中で紹介したRSコンポーネンツサイトでは、他にも自作のバイク改造に活用できる部品・工具を幅広く扱っています。
例えばタイマーリレーを使えば、設定した回転数以下のとき適切なタイミングでヘッドライトの自動点灯をさせるといった仕組みを実装することも可能です。